令和の米騒動

過去こんなにも一般の方々から農家やお米に注目が集まる事があっただろうか?

主食の米は安くて、いつでもどこでも買えて当たり前、買えないなんてどうなってるの?と…。

まるで魔女狩りのように犯人探しを世の中がしているようにも見える。

ここでは言わないが、私はこれにはさまざまな要因があり、一点だけが悪いようなものではないと思っている。

私が中学生の頃、近くの米屋で売っているお米は2種類あって、高い方が10kgで5,500円、安い方が10kgで4,500円だった。

今から40年以上前の話である。

世間が言う「失われた30年」以前に、すでにこの価格だった。

今から20年前に結婚を機に、私が脱サラして妻の実家の家業である農業を継いだ。

農家になってわかったのだが、米の生産にかかる経費があまりにもかかりすぎる。

削れる所は削ったが、それにも限界があり、肥料や燃料費、電気代などはムリ。

トラクターやコンバインのような農機具や、軽トラなどの車の更新もいつかは必ず来るし、それらも全て毎年上がってきた。

私は少しでも経営を改善するために高く販売しようと思い、15年前に小売を始めた。

ブレンドではない、100%同じ品種のお米で、税込10kg3,300円で販売した。

通常なら昔の価格より高くなるはずだと思うが、周りのスーパーでは3,600円位で売っていたので、それより少し安く価格を設定した。

これでも当時高いと言われていたが、ギリギリの価格設定だった。

それから物価はどのくらい上がったかを考えて、今のお米の価格を見てほしい。

私は物価上昇より、給料が上がらない事の方が問題だと思う。