地獄の農業

1か月ぶりの投稿です。全くの3日坊主の自分が継続は力なりを信じてまだ書き続けています。さて今年ウチはあるチャレンジをしていました。なんと使う苗を半分に減らして田植えするということです!農家以外の方はこれのどこがすごいの?と思われるかもしれません。こう考えたらわかりやすいかも。苗箱1枚10kgを超えます。これを何日も人力で運ぶのです、何百枚も!使う苗箱が半分になるということは、育苗にかかる経費も運ぶ回数も半分近くになるということです。当然田植え機に苗を補充する回数も半分。隣の田んぼで植えていたおじさんはあまりの苗の補充の無さと植えるスピードの速さに「アンタんとこの田植え機は自動操縦?」と本気で聞かれました。サビ散らかしてマフラーが破れて族っキーみたいな爆音鳴らしている田植え機であるはずないやろ!いや旧車会ならあるかも。それだけメリットがあるのです!残念ながらウチは正確な枚数を把握するため経費の部分は例年通りになってしまいましたが。この方法での田植えを実は某メーカーさんが推奨しています、もちろん専用の田植機を売るために。しかし自分は世間話からある情報をゲットしたのです。それは「別に専用機じゃなくても苗を密植にして田植え機の苗のかきとり量を最低にすればほとんど同じ効果を得られる」ということを!!この情報をとある農家に伝えてやってみないかと誘ってみたけど乗ってこない。理由は年一作なんで失敗したらどうなるか心配で踏み切れないとの事。ここに今の日本の社会の閉塞感があるんじゃないのか?と感じました、ちょっと大げさだけど。自分は失敗しないで成功なんてありえないと思ってチャレンジしていますが、周りの農家はもしそれで失敗したら「やっぱり失敗しやがった、他の奴らと同じことをしないからだ!」と小馬鹿にする。農業だけじゃないでしょうが、土着で生きてきた農業従事者は特にその傾向が強いと思います。年功序列で先輩後輩(普通社会に出たら年齢に関係なく社歴ですが)。先輩の言うことは絶対。先輩の作ってきた組織や制度はどんなに時代にそぐわなくても残す。これじゃ農業も衰退もするでしょう?今のところウチの苗は順調に育っています。普通に収穫出来たら新しい技術を手に入れた事になります。人生死ぬまでチャレンジと勉強。我が社担当の税理士の先生に教わったことです。老いも若きも富める者も貧しい者も平等にあるのは時間だけ。その言葉を常に気にしながらこの儲からない、キツイ、汚い、の地獄の農業からの脱出を計画中なのでした。